2018年1月10日

インドへのとびら、最終章

先日、南インドの小さな出版社「タラブックス」の展覧会へ行ってきました。
手すきの紙に、 シルクスクリーンによる手刷りの印刷。
一冊一冊、丹念に作る様子を映した動画が流れていて、「ああ、こんな瓶底メガネをかけたおじさん、あちこちにいるよなあ!」「そうそう、手先が器用でなんでも直しちゃうおじさん、道端に座っているよなあ」「そういう職人っぽい人ほど頑固で話しかけづらくて、決して笑わないんだけど、最高にいい仕事をするんだよなあ」と、しばらく見入ってしまいました。

インドの魅力って一言で言い表すのは難しいのだけど、あえて言うなら土臭さ。
地面にどっしり根付いて、なにがあっても揺るがない。
だって、神様の顔色が青かったり黒かったり、世界中のあらゆる毒をたった一人で飲み込んでしまったりするんですよ。
そしてインド人は、そういうトンデモストーリーを真面目な顔して信じている人たちなんですよ。
そんな国、世界中探したってどこにもない。
やっぱりインドはインドなのです。
どこまでいっても面白い。

インドには、たくさんの魅力があります。
これまで何百日、いや、何千日、そこで過ごしたかわからないけれど、訪れるたびに新しい顔に出会います。
そして、東京で暮らしていても、ふとした瞬間にインドを思い出すタイミングがあります。
日本も好きだけど、インドも好き。
わたしは、近所のコンビニへ買いものに行くくらいの感覚で、いつもインドを訪れていました。
そして、近所のコンビニを映したくらいの身近さで、タラブックスの動画はわたしの心に染み込んできました。

去年の6月、Small Happy Thingsは下北沢にあるエスニック料理屋さん「とびら」で、インドをテーマにしたイベントを開催しました。
タイトルは、“The Door to India”。
とびらを開けば濃密なインドの世界が広がっているような、そんな空間をつくりたかったのです。

*イベントの様子はこちら。yukiさんがアップしてくれました。
http://www.small-happy-things.com/issues/?p=8602

タラブックスの展覧会のあと、yukiさんとふたりで下北沢へ出て、ひさしぶりに「とびら」を訪れました。
冷たい雨が降る夜にインドの絵本を思い出しつつ、わたしが食べたのはタイ料理。
とても不思議な感覚だったけれど、やっぱり、このお店にはどこか違う世界への「とびら」があって、それらがリンクする感覚を味わうたび、無重力みたいな心地よさを味わうのでした。

「とびら」は、1月22日に閉店するそうです。
また、どこか違う世界への「とびら」が開くことを願って。

hiro