2016年8月28日

一瞬の引力

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咲きこぼれるような笑顔や、まっすぐ見透す深海のような瞳。

以前の私の仕事は、ファッションモデルのマネージメントでした。
彼らの表情やしぐさ、立ち居振る舞いに宿るものは心の在りようです。
ビジュアルの美しさの条件が揃っているのは当たり前の世界ですが、ファインダーの前やランウェイでしなやかに動くセンス、言葉ない世界で瞳の色や表情に引力が伴うのは内側に源があります。
常に移り変わる人の中に存在する光や影を見つめるうちに、誰かの何気ないしぐさや表情にはっと心留まるようになりました。
花を選ぶ人の伏せ目の美しさや、何かを打ち明ける時の迷いのない呼吸、髪を纏める慣れた指先のしなやかさ、驚きにあっという間にさらわれるあどけない口元。
昔から記憶に残るような瞬間は、何故かスローモーションのように映ります。
ありのまま生きている時、人はなんて愛らしいんだろう。
そのゆるやかに過ぎていく瞬間の中で、ほんの少し「本当のこと」に触れたような気持ちになります。
大切に想うこと、ときめくことがそれぞれの「本当のこと」。

ハワイの人は誰でも、目が合うと必ずにっこり微笑みます。
これはもう必ず、100パーセントの確率で。
ハワイで暮らし始めた頃は、何度も微笑み返されて嬉しくて涙を拭きながら歩きました。
そして、私も自然に目が合う度に微笑むようになりました。
心を動かすことは、いつか自分になっていく。

至るところに小さな瞬間は存在していて、いつも私を幸せにするのです。

 

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tsuki