2016年11月5日

タモリにはなれない歴史さんぽ

あんまり仲間が見当たらない趣味なんですが、史跡めぐりが好きです。
「ブラタモリ」を見ていると、ほぼ原型をとどめないほどに近代化している町の坂道やちょっとした高台に歴史の名残を感じ取り、当時の風景を幻視できるタモさんに毎回恐れ入っているのですが、私の場合、そこまで豊富な想像力を持ち合わせていないので、そのまま残っている本当の史跡が好物。

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たとえば、こちらの立派なお寺は、静岡の興津という駅近くにある「清見寺」、徳川家康が竹千代時代、今川氏の人質として教育を受けた臨済宗妙心寺派のお寺です。

世界遺産になった三保の松原からすぐのところにあり、そのルーツは約1300年前にさかのぼる歴史ある貴重なお寺。
ですが、明治維新で敗軍となった哀れで、徳川家ゆかりのお寺は敷地内だったところをばっちり東海道線のルートにされてしまい、見事に線路が目の前を貫いています。

明治政府、歴史的価値とかわりと大胆に葬りますよね。革命の負の部分だなあといつも思います。

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このお寺はかつて海に面していて、高台から三保の松原や駿河湾を見下ろす絶景スポットだったそう。
江戸時代は、朝鮮からの「朝鮮通信使」の宿舎となった場所でもあり、彼らが詠んだ詩文が書かれた扁額が多く残ることから、現在はユネスコ世界記憶遺産に申請中。

来年、無事に認定されたら、きっと混雑すると思うので、旅するなら今のうちがおすすめの穴場です。

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こちらが貴重な扁額。

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今の眺め。線路の先ぐらいが海で、三保の松原と駿河湾、海の向こうに伊豆の山々が見える在りし日の風景を妄想してみましょう。ブラタモリならCGで再現してくれるシーンです。

眺めや広さは失われてしまったけれど、貴重な建物や五百羅漢などは残っているので、想像力が私程度の人でもじゅうぶん江戸時代にタイムスリップできます。

このあたりは気候も温暖で、目の前は海という開放感もあり、人質だった竹千代の心も少しは明るくなったんじゃないかな? などと空想するのも楽しい。

本で読むのとは違って、その場に身を置くことでよりその時代の気分を感じ取ることができる史跡、景観も含めてもう少し残す努力をしてほしいので、よろしくお願いします、と誰にともなくお願いしてお寺を後にしました。

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miki