2017年2月26日

Revolver

飴色の冬の光に、コーヒーの芳しい湯気。

バンクーバーの街は、フランスやイギリスの気配がそこかしこに
いい味わいを出しています。
カフェや美味しい食事ができるお店も多い。
その中、旅の間よく通ったカフェが、Revolverでした。
一杯づつドリップして淹れてくれるコーヒーの色は少し薄め。
ショットグラスとガラスのポットに注がれてきます。
基本的にビターなコーヒーが好きなのですが、酸味が広がり
まるで日本茶のような芳香があって、疲れが抜けていく美味しさ。
普段このタイプのコーヒーは選ばないのに
格別に癒される味でした。
スタッフは、楽しげに1人分づつガラスの小さな瓶に分けられた
コーヒー豆を儀式のように挽き、丁寧にドリップしていく。
アナログを廻し、冷たい空気特有の甘い香りの中
柔らかい音も巡り、人々の声と混ざり合います。

湯気が立ち昇り、光と模様を描く様子を眺めては
触れてきたことをじっくり体や心におとしていく場所。
そういえば、冬はこんな感じだったと思いながら
旅先で見つけた小さな着地点の時間を愛おしく感じていました。

人生の愛し方なんて大それたことではないけれど
こういう場所をどこにいても見つけることは大切かもしれない。
時に、居心地のいいカフェや大きな木の下や星降る水辺。
住んだことも住むこともない街に、心還る場所があることは
想いを行動に移すときに軽やかにしてくれる。

いつかまた、あの香りと味わいへ還る日が来ますように。

tsuki