2017年3月26日

旅の前に


先日、パスポートを更新しました。

1冊目のパスポートは、ミャンマーのヤンゴンでページを増やしました。
町ごと流されるんじゃないかっていうほどの大雨の中、ビニール袋をかぶって1時間以上も歩き、日本の領事館へ行きました。
お腹に巻いたマネーベルトにしまったパスポートは、宿についたら見事にしんなりしていました。

2冊目のパスポートは、アメリカへ引っ越す直前に取りました。
日本へ帰ってからはインドのビザばかりいくつも続いて、デリーの入国審査では最新のビザを探すのが大変そうだったので、毎回、付箋を貼っておきました。

そして、今回の3冊目。
まっさらなページの、一番はじめに押されたのは、やっぱりインドのビザでした。
写真は、2冊目のパスポート。
1月、台湾へ行った時に「このパスポートと旅をするのも最後だな」と感慨深く、帰国直前、出国審査の前で撮りました。

20代の頃から、旅ばかりの人生を続けてきました。
当時は、「自分探し」という言葉が流行っていて、特にインドやネパールの安宿には、「深夜特急」をバッグパックに突っ込んで旅をする若い人たちがたくさんいました。
「長い旅に出る」と言うと、「あなたも自分探し?」と聞かれることもありましたが、わたし自身はその言葉にピンとくるものがなかったので、ただ、笑うだけでした。

10年以上前、インドのダラムサラで日本のお坊さんと会った時、「あなたは何を求めて、旅をしているのですか」と聞かれたことが忘れられません。
「その目的がわからなかったら、ぐるぐると同じことを繰り返すだけですよ」と。
時々、この言葉を思い出しますが、いまだにその答えはつかめていません。
だけど、それは「旅」に限ったことではなく、こんなふうにも言えるのだと思います。
「あなたは何を求めて生きているのですか。それがわからなかったら、同じ毎日を繰り返すだけですよ」。

1年ぶりのインド。
向こうにいる友人に聞くと毎日少しずつ気温が上がっているそうで、おそらく来月には40度を超えるでしょう。
インドでは、毎朝5時に起きて9時に寝るという生活を繰り返します。
でも、その繰り返しのなかでも、確実に自分のこころが移り変わっていくのを感じます。
町を流れるガンジス川が、ほんのひと時も同じ場所にとどまっていないように、すべてがプロセスであり、移り変わる。
そして、毎日何の変化もないように見えながら、実はコップに少しずつ水が溜まり、ある日突然あふれるみたいに、ひとも変わるのだろうと思います。
思えばそんな経験を、これまで何度も繰り返してきたような気がします。

まもなく、インドへ出発です。
行ってきます。

hiro