2017年4月18日

インドの葬列


10時過ぎ、朝のヨガが終わって外へ出るとみどりが眩しく、一瞬で世界の色彩が華やかになります。
最近は、インドとバリ島の両方でヨガをすることが多くなっていたのですが、「楽しい!」「楽しい!」一辺倒のバリ島に比べ、インドで過ごす日々はいろいろな感情の間を右往左往する波があり、そのなかでいかに真ん中を保つかが、自分にとっていい鍛錬になっているような気がします。

今日、ヨガのクラスを終えて宿へ向けて歩く途中、お葬式に遭遇しました。
Y字路の真ん中に、黄金色の布を巻いた死体が横たえられています。
その周りをおそらく家族の女性たちでしょう、泣きながら時計回りに何度も何度も回っていました。
死体の足のところへ来ると、ひざまずいて足に触れます。
インドでは、敬意を示すポーズです。
お葬式を取り仕切っていた人が、「これで終わり」ということを言うと、たぶん、亡くなった人の娘さんだと思います。
20代前半くらいの彼女は泣きながら、長いこと、死体の足先に触れていました。

おばあさんが、土でできた器をいくつか、勢いよく地面に叩きつけて割りました。
それがはなむけとなったように、死体は男性たちによって担がれ、ガンジス川上流の火葬場へ運ばれて行きました。
あとにはマリーゴールドの花が、あたり一面に散らばっていました。

ちょうどわたしの宿も、彼らの向かう方角だったので、しばらくはあとをついて歩いて行きました。
ふと上を見ると、家々のベランダやテラスや屋上で、たくさんのインド人が葬列を見送っていました。
手を合わせたり、目を閉じたり。
もう何十年も、ここで一緒に暮らした隣人だったのだと思います。

みんなに見送られ、慣れ親しんだガンジス川のほとりで、ゆっくりと灰になる。
それは、とてもしあわせな旅路なのだろうと思います。

hiro