2017年6月11日

Sense of wonder

Sense of wonder:神秘さや不思議さに目を見はる感性
(センス・オブ・ワンダー本文より)

心に静けさを呼びたいときに、手にする古い2冊。

レイチェル・カーソンといえば、環境汚染について書かれた「沈黙の春」が有名ですが、
私が何度も繰り返し読むのは、「センス・オブ・ワンダー」です。
私には子供がいませんが、仕事で子供の心を見つめるときや、
かつて子供だった人たちと心を重ねるときに、この本の世界を想い返します。
宇宙や自然、森羅万象の息遣いに触れたときの喜びと
人の持つ感覚感性や命の可能性は、同じ場所からきていると教えてくれる気がします。

「鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ固い蕾のなかには、
それ自体の美しさと同時に象徴的な美と神秘が隠されています。」
私が生まれる前に出版されたのに今も尚瑞々しく、
この世界を旅立つ直前に遺してくれた、美しい手紙のような本。
本をひらくと、星が降り、風が吹いて、波が足元にゆらめく。
感覚のアンテナが起動して、動かずして小さな旅をしている気持ちになります。
友達の贈り物にも、添えることが多い一冊です。

2冊目は、オノ・ヨーコ著の「グレープフルーツ・ジュース」です。
ジョン・レノンの「イマジン」のルーツとして有名な、彼女の詩集。
ただ眺めていると、体を忘れて心だけの自分に還っていくような気持ちになります。

「月に匂いを送りなさい。」
「録音しなさい。石が年をとっていく音を。」

イマジネーションを使ってどこにでもワープできる。
感傷や感情は消えて、彼女の言葉が世界を沈静させ、
忘れている次元へ導いてくれる。
説明や理屈のない、感覚的な言葉が心を震わせて
自分の世界の奥行きを深めてくれるのです。
音を聴いているような、言葉の集まりです。

何度読み返しても、インスピレーションやシンクロを与えてくれる本を
私は「生きている本」と読んでいます。
文字を追うごとに、実際の世界でも変化が動きだしていくから。
カテゴリーは関係なく専門書も含めて、自分の手元にきた本は少なからず、
そんな命を持った本ばかり。
想像の世界で息づいたものは、目の前の世界の現象になっていきます。

満月が過ぎて、満ちていたものがまた溶けながら
夏至のエネルギーになっていく時。

この小さな友達のような生きている2冊に、付き合いは長くとも相変わらず、
今夜もときめくのです。
これこそ、センス オブ ワンダー。

ハワイは3連休のはじまりです。

tsuki