2017年7月15日

渡さない手紙

毎日書くもので、ジャーナル以外にもう1冊MOLESKINEを用意しています。
ある日突然思い立ち、書き始めました。
勝手に、そのノートを「渡さない手紙」と呼んでいます。
それは本当に手紙のようなもので、宛先は「誰か」だったり、「動植物や自然」だったり
「出来事や状況」だったり、「物」、「天候」、「サプライズやシンクロやサイン」。
命あるものに宛てるときは、もうこの世界にいない場合や、
二度と会えなかったり、知らない人ということも。
内容は、感謝の気持ちや、好きなところ、
言葉では伝えられなかったこと。

誰にも見せないし、読み返すこともないし、絶対に送ることもない手紙。
1冊書き終えると、さっぱりと捨ててしまいます。
手紙と同じように、私の手元には残らないのです。
それでも、ひっそり書いていると自然に笑顔になっていたり、
ぼろぼろ泣いたり、書き終える頃にはすっきりと感謝の気持ちになります。

先日、最高の友達で家族だった犬が旅立ちました。

東京で10年一緒に暮らし、準備ができたらハワイへ引き取るはずでした。
でも、どうしてもハワイに来れなくなり、日本の実家で離れたまま暮らしていました。
亡くなる前日、あるはずのない場所から幼い頃の彼の写真が出てきて、
懐かしさと会えないことを想い、泣きながら渡さない手紙を書きました。
その翌日、病気でもない彼が突然逝ってしまったのです。
彼が亡くなった時刻に私は、庭の植えた覚えのない植物の天辺に、
真っ赤な花がぽんぽんとひらくのを眺めていました。

距離を超えて、伝えてくれていたのかもしれない。
そして、渡さない手紙を彼は知っているような気がしました。

まだ、何をしていても涙が落ちてしまうけれど、
日常の中の感謝の気持ちや好きだという想いを拾い書くことで、
世界を濁らすことなく透明にしてくれる。
それは、彼の生きた世界。

そして、送らないけれど届いてる。
書いてると、いつもそれを感じるのです。

tsuki