2017年9月30日

みえない庭

鳥のような、花のような人が庭の前を通り過ぎる。

我が家には、本当に猫の額というのがぴったりの小さな庭とバックヤードがあります。
引っ越してきた時、ハワイ特有の溶岩地質の赤土に草一本生えていませんでした。
それでも、大きな木の並木沿いにある家なので、木漏れ日や
木々と風の音が庭にこぼれ落ちてきます。
子供の頃、庭にはいくつも世界の入り口があると思っていた私は、
再び小さな宇宙を手に入れたようで嬉しかった。

まず、植物が育つ土に入れ替え、耕し、
おまじないのようにいくつかクリスタルを埋め、
木や植物や花たちを慎重に選び植えました。

ハーブ数種類、ノニ、トゥルシー、ニーム、モリンガ、リリコイ、
バナナ、デーツ、パパイヤ、ハイビスカス、無花果、柘榴、ブーゲンビリア
ブルージャスミン、プルメリア・・・。

整えすぎない自然の生態系が育まれる、
小さな森の中のぽかっと光が照らすような場所。

3年が経ち、植物の香りが濃密な小さな宇宙ができあがりました。

その小さな庭で、まるいストーブで薪を焚いたり、庭のふちの岩の上に座って光を追い、
ウィンドーベルの音の中瞑想をして、摘んだ草花や薬草のお茶を飲んだりします。
以前カフェや雑貨の仕事をしていた時、ステーショナリーをオーダーしたり、
モデルの仕事の時、よくプローモーション用のポジを入れるBOOKをオーダーした、
外苑のON SUNDAYS・ワタリウム美術館
そこで昔に購入した、ジョナサン・ポロフスキーの夢の記録「夢をみた」を眺めつつ、
昨日は空のグラデーションと草の間で過ごしました。
私の夢の中にも、幾度となく現れる小さな庭。

不思議なのですが、ここに立つと感情に支配されることなく、
心の中にしんとしたもうひとつの庭が現れる気がします。
同じ場所に立っていても、実はその都度別の場所なのかもしれない。

そうだとしたら、毎回新しい場所に立っているのです。

tsuki